HPV陽性 ~パートナーにうつすのが心配です~

HPVワクチン 婦人科
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婦人科検診でHPV16型が陽性でした。

パートナーにうつしてしまわないか心配です。。

 心配になりますよね。非常によくある質問です。

 

 HPVはありふれたウイルスですし、感染してもほとんどは自然に体から排除されます。ので、HIVや梅毒、クラミジアのような性感染症のイメージで考えない方が良いです。

 

・パートナーにうつすのが心配だから

・今後新たなHPVに感染するのが心配だから

という理由でsexを控える必要は全くありません。

 

 

 

1)HPVとは

 HPV(human papilloma virus:ヒトパピローマウイルス)は、100種類以上の亜型があると言われており、その中の一部(16型や18型など)が子宮頸がんや、その前がん病変である子宮頸部異形成の原因ウイルスであることがわかっています。それらをハイリスクHPVと呼びます。

 一般女性の80%は少なくとも一度は感染する(したことがある)と言われる、極めてありふれたウイルスです。

2)感染したら必ずがんになるの?

 いいえ。ハイリスクHPV感染=子宮頸がん では全くありません

 もしHPVに感染しても、90%の女性は2年以内に自己免疫(自然治癒力)でウイルスを排除することがわかっています。

 残り10%の方に持続感染がおこり、年単位の時間をかけて正常→異形成→子宮頸がん と変化していきます。現段階では、持続感染が起こってしまう理由は分かっていません。

 

女性ほどの文献的根拠はありませんが、男性にとっても

・かなりの割合で感染する ・ほとんどは免疫力のみで自然治癒する

ことが推測されます。もし持続感染がおこると、陰茎がん・肛門がん・中咽頭がん の原因となりますが、女性の子宮頸がんに比べると頻度はかなり低いです。

3)HPV陽性ならば、sexは控えるべき?

 上記のように、極めてありふれたウイルスであり、かつほとんどは自然に排除されます。

 よって、HPVが陽性であっても、sexや妊活を控える必要はありません。大切な営みですので。

 現在は、HPVワクチンという切り札が使えますので、皆さんのお子さんやお孫さんには、性交開始前に是非打ってあげてください。

HPVワクチン ~唯一のがんを予防できるワクチンです!!~ – 産婦人科医まさ のブログ (hi-blog-happydays.com)

①ワクチンで予防⓶検診で早期発見 

 この2段構えの対策で、子宮頸がんの大半は予防可能です。全例で性交開始前にワクチンを投与できれば、日本の子宮頸がんは、2価ワクチンでも6~7割、9価ワクチンであれば8~9割は減少すると言われています。

逆に言うと、やるべきことはこれのみです。

HPVワクチン接種が普及し、これを読んでいる皆さんのお子さんやお孫さんの時代には、「HPV陽性がわかったんだけど、sexでパートナーにうつらないかな?」という話題が無くなることを願っています。

 

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                                産婦人科医 まさ

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