【結論】
妊娠初期の出血や腹痛に対して、夜間や休日でも受診すべきは以下の場合のみになります。
・月経2～3日目のような多量の出血がある
・動けないような強い腹痛がある
理由は以下の通りです。
◎妊娠初期は、生理的に出血や腹痛が起こりやすい時期である。
◎妊娠初期は、出血や腹痛を止めて流産させないための治療法がない。
１）切迫流産とは：少しでも出血や腹痛があれば、重症度に関係なく全てそう呼ばれます
100人妊婦さんがいると、残念ながら15人～20人は流産してしまいます。そのほとんどは、妊婦健診が始まる前、妊娠9週くらいまでに起こります。切迫流産とは、今後流産する可能性がある状態、のことを言います。
と書くと、危険な印象を受けるかもしれませんが、過剰な心配は不要です。なぜなら、少しでも出血や下腹部痛、下腹部重苦感 があると、上記病名となるからです。
・2日に1回、トイレットペーパーに茶色の出血が少し混じっている。腹痛は全くない。
・今朝から出血と腹痛があり、だんだんひどくなってきた。今は月経2日目くらいの鮮血、月経痛様の強い腹痛となっている。
どちらの場合も、病名は同じ「切迫流産」なんです。なので、大切なのは、現在の症状が以下に当てはまるかどうか、になります。
・強い症状か ・増悪傾向（だんだんひどくなってきている）にあるか
２）対応法、受診の必要性
妊娠初期なんですが、先程トイレに行ったらトイレットペーパーに赤い出血が少し付いていました。
いま23時なんですが、病院を受診したほうが良いでしょうか？
なるほど。ご心配ですね。
今すぐ受診する必要はないと思いますよ。
でも、初めての妊娠だし、初めての出血ですごく不安なんですけど・・・・・
心配ですよね。
でも、妊娠初期の出血や腹痛に対して、夜間や休日でも受診すべきは以下の場合のみになります。
・月経2～3日目のような多量の出血がある
・動けないような強い腹痛がある
理由は以下の通りです。
◎妊娠初期は、生理的に出血や腹痛が起こりやすい時期である。自然に軽快し、そのまま分娩にたどり着く方も多数いる。
◎妊娠初期は、出血や腹痛を止めて流産させないための治療法がない。
心配で土曜日に受診相談をしたら、月曜日まで待っての外来受診を指示され、
指示通り月曜に受診したら流産していた。
土曜に診てくれたら流産しなかったのに。。。
あの病院はもう信用できない。。。
というのは間違いなんです。
救急受診は、そこで診断や治療をしないと、その後の経過が悪くなってしまう可能性がある患者さんにのみ必要です。
上記の場合は、残念ながら土曜に診ても月曜に診ても、経過が変わらない。流産を防ぐ方法が無いからです。
そこまでわかったうえで、我々は外来をやっている時間帯まで待っての受診を指示しているんですね。
唯一、以下のような場合は、夜間休日でも受診が必要な場合があるため、かかりつけに相談して指示を仰ぎましょう。
現在進行形での流産に対して、緊急で処置が必要となる場合もあるためです。
・月経2～3日目のような多量の出血がある
・動けないような強い腹痛がある
産婦人科医 まさ
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