先生。
これまでのコロナワクチン接種は妊娠中ではありませんでした。
妊娠中でもワクチンは接種した方がいいですか(妊娠中ですがワクチン接種しても大丈夫ですか)?
心配ですよね。
すごく良く聞かれる、とても大切な質問ですので、詳しく説明します。
はじめまして。産婦人科医まさ と申します。
20年ほどこの仕事をしている、産婦人科専門医・指導医です。
外来での情報提供や啓蒙に限界を感じたため、ブログを始めました。
「わかりやすく」をコンセプトに、専門的な医学知識は、あえて省略しています。
皆さんをより良い生活へ導く、有料級の情報を提供していきますね。宜しくお願いします。
結論:自分の家族ならすぐに接種します
・これまでに強い副反応が出た方以外は、妊娠週数に関わらず、ワクチン接種することを勧めます。
・家族からの感染を防ぐために、家族のワクチン接種を強く勧めます。
理由は以下の通りです。
基本的に、妊娠中に新型コロナウイルスに感染しても、その経過は同年代の妊娠していない女性と変わらないとされていますが、
◎リスク因子(高齢、肥満、高血圧、糖尿病など)を持つ妊婦は、感染すると重症化しやすいという報告があること。
◎妊娠後期(妊娠24~28週以降)では、感染すると重症化しやすいという報告があり、また、早産率が高まること。
◎日本で承認されているコロナワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器にはっきりと悪影響を及ぼすという報告はないこと。
以下は、私が実際に行っている説明内容です。
先生。
これまでのワクチン接種は妊娠中ではありませんでした。
妊娠中でもワクチンは接種した方がいいですか(妊娠中ですがワクチン接種しても大丈夫ですか)?
はい。これまでに強い副反応が出た方以外は、妊娠週数に関わらず、できるだけ早く接種することをお勧めします。授乳中でも同様です。
日本全国どの産婦人科医に聞いても、おそらく同じ説明をされると思います。
その理由は以下の2点です。
①日本で承認されているコロナワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器にはっきりと悪影響を及ぼすという報告はないこと。
②一部の妊婦さん(高齢、基礎疾患あり、妊娠後期など)は重症化の可能性があるが、ワクチン接種により、感染しても重症化しにくくなり、他の人に感染させてしまう可能性も低くできること。
ここからは私見ですので、参考意見としてお読みください。
しかし。
コロナワクチンに限らず、新しい薬のリスクは、長期予後(長い目でみた影響)が不明な点です。
「現段階では」、妊婦のコロナワクチン投与について、「明らかにこういう悪影響が妊婦さんや胎児(お腹の中の赤ちゃん)にある」という報告はありません。
全世界で相当数の妊婦さんに投与した結果ですので、そのような悪影響はない可能性が非常に高いです。
しかし、5~10年(あるいはもっと先)後に、「実は妊娠中にコロナワクチンを打った妊婦や赤ちゃんには、こういう悪影響がある」という事が判明する。
その可能性がとても低いがゼロではない、という事がリスク(デメリット)です。
その点がどうしても心配なのであれば、これまで通りしっかりと感染予防をしながらワクチンを打たない、という選択肢もあって良いと考えます。
ただし、感染が流行・拡大傾向にない、という前提です。
また、同居家族に重症化リスクのある方(高齢者や基礎疾患のある方など)がいる場合も、その方に感染させないために接種すべきかな、と思います。
ちなみに、自分の家族ならすぐに接種します。
これまでの説明通り、明らかにメリットがあり、デメリットはない可能性が高いと思いますので。
ただし、因果関係は不明であり、少数ではありますが、ワクチン接種後の体調不良の報告は一定数あります。
最終的には、自己判断・自己責任での接種となります。
新型コロナウイルス感染が妊娠に及ぼす影響
◎基本的に、妊娠中に新型コロナウイルスに感染しても、その経過は同年代の妊娠していない女性と変わらないとされています。
ほっとしますね。
でも、以下の点で、妊婦さんは注意が必要です。
1)高齢妊娠、肥満、高血圧、糖尿病 など:
重症化しやすいという報告があるため、特に感染予防が重要です。
2)妊娠後期(妊娠24~28週以降)
重症化しやすいという報告があるため、特に感染予防が重要です。
また、早産率が高まることもわかっています。
ただし、早産に関しては、「コロナになると陣痛がきてしまい早産になりやすい」というよりは、「出産後の方が母体の治療がしやすくかつ治りやすいので、ある程度の大きさや週数になっていれば、母体救命のために人工的に早産にしてしまう」という事が影響しているのかもしれません。
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てすと