「避妊目的で飲んでいたピルを、うっかり飲み忘れてしまった。。」という相談は多いです。
飲み忘れたタイミングや日数によっては、避妊効果が十分発揮されない場合もあります。
飲み忘れない工夫が最重要ですが、万一飲み忘れた時の対応を覚えていると、慌てなくて済みますね。
【結論】
・飲み忘れから48時間以内なら、気づいた段階で忘れていた分をすぐに内服。その後は通常通りの内服を継続。
上記から7日間継続して飲み忘れ無し、となるまでは妊娠リスクあり、と認識すべし。
・飲み忘れから48時間以上経過したら、その周期は内服中止。
・第1週(1~7錠目)の飲み忘れは、特に妊娠に注意が必要(妊娠率が高くなる)
1)低用量ピルの避妊効果
低用量ピルの内服は、子宮内避妊具と並び、現在最も確実性の高い避妊方法です。
避妊成功率の指標として有名なものに、パール指数(100人の女性がその避妊法を1年間用いた場合に、避妊に失敗する人数)があります。
正しくピルを内服した場合のパール指数は0.3と非常に低く、これが避妊効果が高いと言われる所以です。
しかし、飲み忘れや開始時期の不一致など、理想的な内服が出来ない場合のパール指数は9まで上昇してしまいます。。正しく飲まないと、1年で11人中1人は妊娠してしまう、という事です。
飲み忘れがいかに危険か、という事を端的に示したデータになりますね。
2)飲み忘れてしまった!!どうすればいいの?
とはいっても、忘れてしまうことはありますよね。
その場合の対処法を以下に示します。ぜひブックマークして、いざという時に慌てないようにしてください。
1)内服方法
例として、毎日21時に内服している場合で説明します。
①24時間以内に気づいた場合:気づいた段階ですぐに1錠内服。以後はいつも通り内服。
(昨日21時分の飲み忘れに、今日8時で気づいた➡8時に飲み忘れ分内服。その日の21時も予定通り内服。翌日以降も予定通りで内服継続。)
⓶24時間後(翌日の内服時)に気づいた:そこで2錠(昨日飲み忘れた1錠+本日予定の1錠)一気に内服。翌日以降は普通に内服継続。
③48時間以内に気づいた場合:気づいた段階ですぐに2錠内服。以後はいつも通り内服。
(一昨日の21時と昨日の21時の内服忘れを、今日8時に気づいた➡8時に2錠内服。その日の21時も予定通り内服。翌日以降も予定通りで内服継続。)
④48時間後、またはそれ以降に気づいた場合:内服を中止して、主治医の指示を仰ぐ
また、①~③はどの場合でも、続く7日間継続して飲み忘れなくピル(偽薬は含まない)を内服するまでは、他の避妊法を併用するか、性交を控える必要があります。
第1週目(1~7錠目)の飲み忘れは特に妊娠リスクが高いため、その周期はずっと、他の避妊法を併用するか性交を控えるのがbetterです。
産婦人科医 まさ
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