「ピルは血栓症になるから危険」と聞いてピルの服用をためらっている方は少なくないと思います。
この記事では、産婦人科専門医が、
- ピルを飲めない人、注意が必要な人
- 副作用
- ピルで血栓症になる確率
- 血栓症の初期症状
- ピルとタバコの関係
- 40歳以上、50歳以上でもピルを飲めるのか
- 片頭痛がある場合にピルを飲めるか
について、できるだけ分かりやすく解説します。
「血栓症が怖いからピルを飲まない方がいいの?」と心配している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
- ピルを服用すると、血栓症のリスクが上昇する。
- ただし、ピル服用中の血栓症の発症頻度は高くない(1年間服用した人1万人中3~9人)。
- 血栓症のリスクは、ピル服用中よりも、妊娠中や産後3か月間の方が高い(それぞれ1年間服用した人1万人中5~20人、40~65人)。
- 35歳以上で1日15本以上喫煙する方、前兆のある片頭痛がある方、血栓症の既往がある方などは、心疾患や脳血管疾患のリスクが高まるため、原則としてピルを服用できない(禁忌)。
- ピルを服用中に突然の息苦しさ、胸痛、片脚の腫れ・痛み、激しい頭痛などが出た場合は、血栓症を疑って速やかに医療機関を受診するべき。
目次
1)ピルを飲めない人・飲めるが注意が必要な人
ピルは誰でも飲める薬ではありません。
年齢、喫煙、高血圧、片頭痛、血栓症の既往、妊娠・産後の時期などによっては、ピルを使用できなかったり、慎重に使用する必要があります。
「自分はピルを飲んでも大丈夫?」という方は、以下の表を参考にしてください。
日本産科婦人科学会が作る「OC・LEPガイドライン2020年度版」、および「産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2026」には、以下の様に記載されています。
| 原則服用しない | 慎重に判断する | |
| 年齢 | ・50歳以上
・閉経後(50歳未満であっても) ・初経発来前 |
40歳以上 |
| 肥満 | BMI30以上 | |
| 喫煙 | 35歳以上で15本/日以上 | 左記以外の喫煙者 |
| 血圧 | 上が160以上、下が100以上
の、どちらか一方でも満たす場合 |
上が140~159、下が90~99
の、どちらか一方でも満たす場合 |
| 糖尿病 | 腎臓や眼などに血管病変あり | 血管病変なし |
| 妊娠 | 妊娠中、妊娠している可能性あり | |
| 産後(授乳なし) | 産後3~4週以内 | |
| 産後(授乳あり) | 産後6か月以内 | 産後6か月以降 |
| 手術等 | ・術前4週間 ・術後2週間
・長期間安静が必要な状況 |
|
| 片頭痛 | 前兆(閃輝暗点・星型閃光など)あり | 前兆なし |
| 乳癌 | 現在罹患している、治療している | ・5年以上再発のない乳癌既往
・乳癌家系 |
| 血栓症 | 深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患、抗リン脂質抗体症候群、など | ・血栓を作りやすい家系 |
| その他 | ・重度の肝機能障害
・原因不明の不正性器出血あり |
・てんかん
・腎機能障害 ・クローン病、潰瘍性大腸炎 |
この表は代表的な項目をまとめたものです。実際にピルを使用できるかどうかは、年齢だけでなく、血圧、喫煙状況、既往歴、家族歴、服用している薬などを総合的に判断します。
「表に当てはまるから絶対に飲めない」という意味ではない項目もありますので、自己判断でピルの服用を開始・中止せず、産婦人科で相談してください。
35歳以上でタバコを吸っている人はピルを飲めない?
35歳以上で、かつ1日15本以上喫煙している場合、ピルは原則として使用できません。血栓症や心血管疾患のリスクが高まるためです。
一方、「35歳未満であればタバコを(いくら)吸っていても問題ない」という意味ではありません。喫煙そのものが血栓症や心血管疾患のリスク因子になるため、ピルを希望する場合は喫煙状況を医師に必ず伝えてください。
禁煙(減煙)できれば、ピルを使用できる可能性が高くなります。
40歳以上でもピルは飲める?
40歳以上だからといって、ピルを一律に使用できないわけではありません。
ただし、年齢とともに血栓症などの心血管系疾患のリスクが高くなるため、40歳以上では健康状態や血圧、喫煙、片頭痛などを確認したうえで、使用するかどうかを慎重に判断します。
特に喫煙、高血圧、肥満、片頭痛などがある場合は、ピル以外の選択肢も含めて検討することがあります。
2)ピルの主な副作用
ピルを飲み始めると、ホルモンの変化によって吐き気、乳房の張り、不正出血などが起こることがあります。
どの症状も、多くは服用を続けるうちに軽くなっていきますが、症状が強い場合や長く続く場合は、ピルの種類を変更することで改善することもあります。
また、「ピルを飲むと太るのでは?」と心配する方もいますが、ピルが直接体重増加を引き起こすという明確な医学的根拠はありません。
吐き気・嘔吐
ピルを飲み始めた時に、吐き気や胃の不快感を感じることがあります。
これはピルに含まれる女性ホルモンの影響によるものです。
服用を続けるうちに症状が軽くなることも多いですが、吐き気が強い場合や長期間続く場合は、無理に我慢する必要はありません。
ピルの種類を変更したり、服用方法を見直したりすることで改善する場合がありますので、産婦人科に相談してください。

一番多い副作用がこれですが、経験上2~3か月以内におさまる患者さんがほとんどだと感じています。患者さんへも服用開始前にそのように伝え、その期間を過ぎても改善しない場合は薬剤変更を検討しています。
乳房の張り(乳房緊満感)
ピルを飲み始めると、乳房の張りや痛みを感じることがあります。
多くは服用を続けるうちに軽くなりますが、症状が強い場合や気になる場合は、産婦人科に相談してください。
不正出血
ピルを飲み始めた時には、月経以外の出血(不正出血)が起こることがあります。
特に服用開始後しばらくは起こりやすく、飲み忘れがなくても少量の出血が続くことがあります。
多くの場合は服用を続けることで落ち着いていきますが、出血量が多い場合、長期間続く場合、いったん落ち着いた後に繰り返す場合は、ピル以外の原因がないか確認する必要があります。
自己判断でピルを中止せず、産婦人科に相談してください。
ピルを飲むと太る?むくみや体重増加について
「ピルを飲むと太る」と心配する方は少なくありません。
しかし、ピルが直接、体重を増加させるという明確な医学的根拠(エビデンス)はありません。
一方で、服用開始後にむくみを感じたり、食欲の変化などによって体重が増えたりする方が全くいないわけではありません。服用開始後に明らかにむくみや体重増加ひどくなった場合は、早めに産婦人科で相談してみましょう。

経験上、どの副作用もたいていは2~3か月以内に落ち着いてくるため、始めるときには皆さんに「よほど強い副作用でなければ、だんだん落ち着いてくるので3か月(3シート)は飲んでみましょう」とお話ししています。

また、ピルは種類がたくさんあるので、副作用が強い時は、やめるのではなく別の種類に変えてみるのも有効な方法です。欧米には「ピルはジーンズを選ぶ様に、自分に合うものを選ぶ」という言葉があります。1種類しか試してないのに「私には合わないからやめる」というのは、とてももったいないと思います(実際にそういう方は残念ながらたくさんいます)。
3)ピルで血栓症になる確率は?
ピルを服用すると、血栓症のリスクは服用していない場合より高くなります。
ただし、血栓症が起こる頻度そのものは高くありません。
日本産科婦人科学会の資料では、静脈血栓塞栓症(VTE)の発症頻度は以下のように報告されています。
| 状態 | VTEの発症頻度 |
|---|---|
| ピルを服用していない女性 | 1~5人/1万人・年 |
| ピルを服用している女性 | 3~9人/1万人・年 |
| 妊娠中 | 5~20人/1万人・年 |
| 産後12週間以内 | 40~65人/1万人・年 |
「1~5人/1万人・年」とは、「1年間に1万人がピルを服用した場合、1~5人に静脈血栓塞栓症が起こる」、という意味です。
つまり、ピルを服用すると血栓症のリスクは上昇しますが、年間でみると1万人あたり数人程度です。
一方、妊娠中や産後は血栓症のリスクがさらに高くなります。
「ピルは血栓症になるから危険」と一律に考えるのではなく、血栓症のリスク因子がないかを確認したうえで適切に使用することが大切です。

「血栓が怖いから妊娠したくない」という人はほぼ皆無ですが、「血栓が怖いからピルは嫌だ」という人は少なくありません。
血栓リスクは妊娠中の方が高いにもかかわらず、です。
上記の表が世間一般に周知されれば、もっともっとピルは普及するのではないかと強く思っています。
ピルで血栓症になる確率を%で表すと?
ピルを服用している女性のVTE発症頻度「3~9人/1万人・年」を割合にすると、年間約0.03~0.09%です。
「ピルを飲んだら血栓症になる」というわけではありませんが、ピルを服用していない場合(年間約0.01~0.05%)よりはリスクが高くなることは知っておく必要があります。
妊娠中や産後は、ピル服用中より血栓症のリスクが高い
「ピル=血栓症」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、実は妊娠中や産後は、ピルを服用している場合よりも血栓症のリスクが高くなります。これは、妊娠・産後には血液が固まりやすくなるなど、血栓ができやすい身体の変化が起こるためです。
特に産後は血栓症のリスクが高く、産後12週間以内では40~65人/1万人・年と報告されています。
したがって、ピルの血栓症リスクを考えるときには、「ピルを飲んでいるかどうか」だけでなく、妊娠・産後などの状態も含めて考える必要があります。
血栓症の症状は?
血栓症は、血栓ができる場所によって症状が異なります。
特に注意したい症状は以下です。
脚の血栓(深部静脈血栓症)
- 片脚だけの腫れ
- 片脚の痛み
- ふくらはぎの痛みや違和感
- 脚が赤くなる、熱を持つ
肺の血栓(肺塞栓症)
- 突然の息苦しさ
- 突然の胸の痛み
- 動悸
- 息をすると胸が痛い
脳梗塞(脳の血管の血栓)など
- 突然の激しい頭痛
- ろれつが回らない
- 手足の麻痺やしびれ
- 視野の異常
ピルを服用している方にこのような症状が突然現れた場合は、血栓症の可能性があります。速やかに医療機関を受診してください。また、受診時には、ピルを服用していることを必ず医療者に伝えてください。

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重要!ピル服用中にこんな症状があれば、すぐに医療機関へ!
- 突然の息苦しさ
- 突然の胸の痛み
- 片脚の急な腫れ・痛み
- 突然の激しい頭痛
- ろれつが回らない
- 手足の麻痺・しびれ
- 突然の視覚異常

脳梗塞、肺塞栓 は急変して意識がない状態で病院へ運ばれる事もあり得る病気です。
ピル服用中という情報は、これらの病気に早く気付くヒントになります。
万一に備えて、ご家族や職場の親しい友人には、ピルを飲んでいることを伝えておくとbetterです。
また、婦人科以外を受診する際は毎回必ず、ピルを服用していることを伝えましょう。
特に血栓に注意が必要な時期は?
ピルによる血栓症のリスクは、服用開始後の比較的早い時期に高くなることが知られています。
特に服用を開始したばかりの方は、突然の息苦しさ、胸痛、片脚の腫れや痛みなど、血栓症を疑う症状がないか注意してください。
ただし、長期間ピルを服用しているから血栓症が起こらないというわけではありません。服用中に気になる症状があれば、時期にかかわらず医療機関に相談してください。
4)ピルとタバコ・年齢・片頭痛|飲めないのはどんな人?
ピルは、年齢や喫煙、片頭痛などによって血栓症や脳血管疾患のリスクが高くなることがあります。
そのため、「何歳なら飲めない?」「タバコを吸っていると飲めない?」「頭痛があるけれど大丈夫?」といった点を確認することが大切です。
35歳以上でタバコを吸っている人はピルを飲めない?
35歳以上で1日15本以上喫煙している場合、ピルは原則として服用できません。心血管疾患や血栓症のリスクが高まるためです。
一方、「35歳未満ならば喫煙していても安全」という意味ではありません。喫煙自体が健康上のリスクとなるため、ピルを使用する場合は、喫煙の有無や本数を必ず医師に伝えてください。
特に35歳以上の喫煙者は、ピル以外の薬剤・治療法を検討することがあります。
40歳以上でもピルは飲める?
40歳以上だからといって、一律にピルを服用できないわけではありません。
ただし、年齢とともに血栓症や心血管系疾患のリスクが高くなるため、40歳以上では慎重に判断して服用する必要があります。
特に、
- 喫煙
- 高血圧
- 肥満
- 片頭痛
- 血栓症の既往
- 糖尿病などの生活習慣病
などがある場合には、ピル以外の選択肢も含めて検討することがあります。
「40歳になったからピルをやめる」のではなく、自分の健康状態に合わせて医師と治療方法を相談することが大切です。
50歳になったらピルは飲めない?
「50歳になったらピルは絶対に飲めない」と一律に考えるのは適切ではありません。
ただし、年齢とともに血栓症や心血管系疾患のリスクが高くなるため、50歳前後ではピルを継続するかどうかを改めて検討する必要があります。
また、40代以降は閉経が近づき、避妊の必要性や月経症状、更年期症状なども含めて、治療方針の変更が必要になりやすい時期でもあります。
年齢だけで自己判断して中止するのではなく、産婦人科で今後の治療について相談しましょう。

実際の医療現場でも、40歳と50歳を治療方針の線引きラインと考える医師が多いです。
そして、年齢を理由に薬剤や治療方針が変わり、これまで上手くコントロールできていた症状が悪化する患者さんも少なくない印象を受けます。

年齢を理由に薬剤や治療方針が変わったことで、症状に困っている患者さんは、他の医師や施設でsecond opinionを行うのも悪くないと個人的には思います。
年齢による治療方針の変更については絶対的な正解が無いため、医師により方針が異なる事も少なくないからです。
片頭痛があるとピルは飲めない?
片頭痛があるからといって、すべての人がピルを服用できないわけではありません。
重要なのは、「前兆(オーラ)を伴う片頭痛」なのか、「前兆を伴わない片頭痛」なのかです。
前兆を伴う片頭痛がある場合、脳卒中リスクが高まるため、ピルは原則として服用できません(禁忌)。
一方、前兆を伴わない片頭痛の場合は、その他の血栓症リスクなどを確認したうえで使用を検討します(慎重投与)。
「頭痛持ちだからピルは飲めない」と自己判断するのではなく、どのような頭痛なのかを産婦人科医に伝えることが大切です。

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片頭痛の「前兆(オーラ)」とは?
片頭痛の前兆とは、頭痛が始まる前などに一時的に現れる神経症状のことです。
代表的なものとして、
- 視界にギザギザした光が見える
- 視野の一部が見えにくくなる
- 手や顔がしびれる
- 言葉が出にくくなる
などがあります。
このような症状を伴う頭痛がある場合は、脳梗塞のリスクが高まるため、原則ピルは服用できません。
5) 妊娠中・産後・授乳中にピルは飲める?
「妊娠したらピルはどうする?」「産後はいつからピルを再開できる?」「授乳中でもピルを飲める?」という疑問もよくあります。
結論からいうと、妊娠中はピルを使用しません。
また、産後すぐは血栓症のリスクが高く、授乳中は母乳への影響も考慮する必要があるため、ピルの開始時期には注意が必要です。
妊娠中はピルを飲める?
妊娠中は、避妊や月経症状の治療を目的としてピルを使用する必要がないため、妊娠中はピルを使用しません。
ピルを服用している途中で妊娠が判明した場合は、服用を中止して産婦人科に相談しましょう。
なお、妊娠に気づかず短期間ピルを服用していた場合でも、直ちに胎児への重大な影響を心配する必要はありません。
産後はいつからピルを再開できる?
産後は、しばらくの間ピルの使用を避ける必要があります。
これは、産後は血栓症のリスクが特に高くなるためです。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、授乳していない場合でも、産後4週間以内はピルを使用しないことが推奨されています。
特に産後早期は血栓症のリスクが高いため、避妊が必要な場合は、ピル以外の方法も含めて産婦人科で相談しましょう。
授乳中はピルを飲める?
授乳中は、ピルに含まれるエストロゲンが母乳の分泌量に影響する可能性があるため、使用時期に注意が必要です。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、授乳中は産後6か月まではピルの使用を避けることが推奨されています。
産後6か月を過ぎてからは、授乳状況や母乳分泌、血栓症のリスクなどを考慮しながら、ピルを使用できる場合があります。
「授乳中だから絶対にピルを飲めない」というわけではありませんが、いつから開始するかは個別に判断することが大切です。産婦人科で相談しましょう。
産後の避妊はどうする?
産後は、月経が再開していなくても排卵が起こる可能性があります。
そのため、妊娠を希望していない場合は、産後早期から避妊を考える必要があります。
ピルを使用できない時期には、コンドームや子宮内避妊具(IUD・IUS)など、ほかの避妊方法を選択することができます。
「産後いつからピルを使えるのか」「授乳中でも使える避妊法は何か」は、授乳の有無、血栓症のリスク、今後の妊娠希望などによって異なります。産婦人科で相談して自分に合った方法を選びましょう。
6) まとめ|ピルは危険な薬なの?
ここまで、ピルの副作用や血栓症、タバコ、年齢、片頭痛などについて解説してきました。
ピルは「危険な薬」というイメージを持たれることがありますが、適切な問診・診察を行い、使用できる人が正しく服用すれば、非常に有用な薬です。
一方で、ピルには血栓症という重大な副作用があります。そのため、誰でも自由に飲める薬というわけではありません。
ピルについて覚えておきたい重要なポイント
- ピルを服用すると、血栓症のリスクは服用していない人より高くなる
- ただし、ピル服用中の血栓症は頻度としてはまれ
- 妊娠中や産後は、ピルを服用していない場合でも血栓症のリスクが高くなる
- 特に、35歳以上で喫煙している人、片頭痛の前兆(オーラ)がある人、高血圧の人、血栓症の既往がある人などでは注意が必要
- ピルを飲み始めたばかりの時期は、血栓症の症状に特に注意する
- 片足の急な痛みや腫れ、突然の息苦しさ、胸痛、突然の激しい頭痛、視覚異常などがあれば、血栓症の可能性を考えて速やかに医療機関を受診する。その際は必ずピル内服中であることを伝える。
- 吐き気や乳房の張り、不正出血などは比較的よくみられるが、時間とともに改善することも多い
「血栓症が怖いからピルを飲まない」は正しい?
ピルによる血栓症は、確かに注意すべき副作用です。
しかし、血栓症のリスクだけを理由に、ピルを必要以上に怖がる必要はありません。
ピルには、避妊だけでなく、月経痛や過多月経などの月経に伴う症状を改善するメリットもあります。
大切なのは、
「ピルは危険だから飲まない」ではなく、「自分はピルを安全に使用できる状態なのか」を確認することです。
年齢、喫煙、高血圧、片頭痛、血栓症の既往、妊娠・産後などによって、ピルを使用できるかどうかは変わります。
ピルを使用したいけれど血栓症が心配という方は、自己判断で避けるのではなく、産婦人科で相談してみてください。
あなたの体質や生活習慣、治療目的に合った避妊方法・治療方法を一緒に考えることができます。

ピルは、正しく使えば女性の生活の質を大きく改善してくれる薬の一つです。
この記事が、毎月の煩わしい症状から解放されて、より豊かな人生を過ごせる方が一人でも増える手助けになれば嬉しいです。

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産婦人科医まさ
【文献】
1) OC・LEPガイドライン2020年度版
2) 産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2026


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